田畑の草取りと平川家住宅見学【7月23日(日)晴れ】
「平川家住宅」は、3つの茅葺屋根が並ぶ立ち姿が特徴的な民家です。上から見ると屋根がコの字型をしているため、クド造りと呼ばれています。福岡県で初めて国の重要文化財に指定されており、場所も浮羽町田篭地区と、まなび隊が活動するつづら棚田のすぐ近く。地域の農以外のことも学ぼうと、この日はいつもの草取りに加えて、みんなで民家の見学に行きました。
とはいえ、田植え以降続く草との闘いは避けては通れません。まなび隊が耕作するのは5枚、毎回15名前後の隊員が集まりますが、雑草取りと畔の草刈りには、なんだかんだ約半日かかっています。民家見学を昼食後に予定していたので、この日は「よし!」といつも以上に気合が入ります。
しかし、田んぼに到着したみんなの顔に「おや?」と戸惑いの色が浮かびます。覗き込むとほとんど水が干上がった状態になっていたのです。晴天が続き、水源となる葛篭川の水量が少ないことに加え、まなび隊の田んぼ自体にも問題がある様子。田んぼと石垣の間に隙間があり水が漏れていたり、土均しが甘く傾きが生じ水が全体にいき渡っていない、などそもそものベースが整っていなかったようです。とりあえずの応急処置を施し、あとは抜けるより多く水が入ってくれるのを願うのみです。
畑は相変わらず元気そのもの。雑草も晴天もどんと来い!といった感じでしょうか。毎度ながら逞しい限りです。今回の収穫物はトマト、ナス、インゲンマメ、トウガラシ、シシトウ、ピーマン、(育ちすぎた)オクラ、キュウリ。そして、なんとメロンも実をつけていました。人口受粉や芽摘みなどは一切していなかったので、驚きと多少の申し訳なさも感じながら、ちょきっ。いただきます。
お昼ご飯でお腹を満たし、いつもの土にまみれるのとは、ちょっと違う学びの場へ。平川家住宅では、隊員でもある民家研究の先生が解説をしてくださいました。クド造り民家について、平川家住宅の変遷について、民家の間取りについて。曰く、民家は形や様式で語られるイメージがあるのですが、実際は柔軟に暮らしや時代のなかで形や役割が変化していく、周りと共にあるものということでした。
ここで、かつてどの様な生活が営まれていたのでしょうか。軒が長いため家の中には光が多くは届かず、晴天の外とはまったく別世界のよう。屋根の裏はとても懐が深く、薄暗さの中に何かが潜んでいそうな雰囲気。
「子どもは怖かっただろうな」
お化けが出そうで、誰もいない2階に一人で行けなかった、小さい頃の記憶と重なりました。
かじわら(隊長代理)