棚田まなび隊2015第3回活動

6月7日、棚田まなび隊の今年3回目の活動が行われました。

この日は17名の隊員が朝10時に現地へ集まりましたが、耕作者の米川さん、高松さん、諌山さんと、加勢に来てくれた地元農家の松木さん、樋口裕二さん、樋口精男さんが既に機械を使って田植えを始めていらっしゃいました。
天満隊長の呼びかけにより、この日の活動はラジオ体操から始まりました。
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▲ラジオ体操は何年ぶりだろうかという隊員も、不思議と体が覚えているものです。

まなび隊は、田植え初心者のチームと去年から活動に参加している経験者のチームに分かれました。初心者チームは、いちばん下にある学習田で手植え体験をすることになり、指導役の諌山さんから苗の握り方や一束の分量を教わると、隊員は田んぼへ入りました。何人かが田んぼに足を取られながらも、隊員が横一列に並ぶと諌山さんの合図で少しずつ苗が植えられていきました。
隊員は一歩、また一歩と後ろへ下がりながら、ゆっくり苗を植えていきます。
経験者チームは、機械を操縦する農家の方について行き、機械が届かない田んぼの角部分の植え継ぎを手植えで行いました。
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▲機械を使って苗を植えた田んぼ。機械の入らない部分を手で植え継ぎしていきます。

作業は12時過ぎに終わりました。「これだけ広い田んぼを3人で管理していると、雑草の処理がなかなか追いつかない。そのため除草剤を使わざるを得ないが、棚田は平地の田んぼと違い、張ってある水が抜けやすいので、除草剤の効果も小さくなり、夏の草取りが必要になる」と、休憩時間に諌山さんが山間部の稲作の難しさを解説してくださいました。

分田地区の棚田は、一部がお茶やキウイの畑として転作されています。ここで5月に摘まれたお茶を、地域住民の高松さんが皆で飲めるように準備してくださっていました。活動後の冷たいお茶が、隊員たちの体にとても沁みたようでした。
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▲地元の樋口酒店でバーベキュー。イノシシの肉はとても深みがあり、絶品でした。

活動が早く終わったため、お昼は皆でバーベキューをしました。気がつくと3時間も経っていて、地域外の人々と住民の方々がゆっくりと語り合えるとても貴重な機会となりました。

文:前野眞平
写真:九州大学菊地研究室

棚田まなび隊2015第2回活動

5月24日、棚田まなび隊の今年2回目の活動が行われました。爽やかな日差しのもとに14名の隊員が集まりました。

昨年は本村集落の棚田で水害の復旧から稲作まで取り組みましたが、今年は分田集落で活動します。田んぼは5反ほどの広さで、棚田景観が美しい所です。しかし、耕作されていた農家の方がご高齢で耕作を続けることが難しくなったので、今年から地元農家の米川さん、高松さん、諌山さんの3名が耕作を引き継ぐことになりました。今年のまなび隊は、その手伝いをします。

この日は10時に集合し、天満隊長が所用で不在だったため、梶原副隊長が挨拶をしたあと、自己紹介を行い、作業に取りかかりました。

農家の方々は機械を使って代掻きをし、まなび隊は畦塗りを手伝いました。隊員は諌山さんから鍬の使い方などの指導を受け作業に入りましたが,すでに大半の畦が機械で塗られており手作業での畦塗りが必要な箇所はあまり多くなかったので、隊員が二手に分かれて一方は周辺の草刈りを行いました。12時ごろまで作業をして、お昼の休憩をとりました。

午後には棚田を散策しながら,田んぼへの水の供給のしかたを確認しました。米川さんから、この棚田の用水はもともと灌漑用に引いたイデを今は水力発電にも使っていることや、水量が安定していて蛇口をひねれば水が出てくることなどを伺いました。
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▲今年のまなび隊が活動する田んぼ。1枚1枚が細長いかたちをしています。一部はお茶やキウイ畑に転作されています。
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▲竹樋を使って水路から田んぼへ水を渡しています。

棚田を歩いた後は、分田集落周辺を散策しました。森林ガイドをされている方にこの地域の植物について教えていただきながら、2㎞ほど歩きました。
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▲普段は意識しない植物も説明を聞くと興味が湧き、隊員たちは触ってみたり香りを嗅いだりしていました。

集落周辺を散策したあとは、イデに沿って歩きました。イデには水が勢いよく流れており、隊員たちは地区の田んぼが水路で繋がっていることを実感しました。散策は1時間ほどで終了し、15時半ごろ解散しました。

文:佐々木悠理

写真:九州大学菊地研究室

浮羽の「たからもの」プロモーション動画審査結果のお知らせ

厳正なる審査の結果、以下のように賞が決定いたしました。授賞式を予定しておりましたが、都合により賞品の発送をもってこれにかえさせていただきます。


最優秀賞:浮羽 水のある風景
     濱田直斗 
優秀賞 :本村集落お月見会
     赤田心太
次点  :うきはの歴史をめぐる
     QUCC

協議会長賞:浮羽 水のある風景

作品は動画ページをご覧ください。

本当に素晴らしい作品が集まり、浮羽まるごと博物館協議会一同たいへん嬉しく思っております。
なお、上位3作品につきまして、以下のように審査講評をいただいています。

最優秀賞・協議会長賞:浮羽 水のある風景
・全体的に明るい画面ですっきりとした構成である。また。上流から下流へと画面が展開していく構成は素晴らしい。
・美しい棚田や川の流れなど、浮羽の美しい風景を切り取ることにより、浮羽の良さを存分に伝えようとしている作品。
・水の音、鳥の鳴き声、川のせせらぎ、それぞれの音を活かしているところはとても良い。また、構図も決まっているので、見ていて落ち着く。アングルにも工夫があり、立体的な映像に見える。
・地元の人でもあまり知らないのではと思われるスポットを自ら発掘し、独自の文脈を形成するという発見力と編集力にある。川の源流や堰まで突き止めて浮羽全体を語る編集は大変見事。

優秀賞:本村集落お月見会
・「お月見会」という浮羽のひとつの大切な行事、一日に焦点をあて、準備をする地元の方々の様子を丁寧に追うという表現方法はとても良い。時間軸に沿って丹念に映像が積み重ねられている。
・もう少しそれぞれの尺を詰めると、コミカル、かつワクワク感がさらに伝わるだろう。また、準備の映像が長すぎて、肝心なお月見会はどうだったのかがわからないのが残念。
・この場所で恒例的に催されているであろう行事を、なにかとても懐かしい、見ている人自身の記憶の断片のように思わせてくれる映像。
・浮羽の宝物を語る際に、そこで生活する「人」は絶対に切り離せないものであり、景観だけではなく人にフォーカスした部分がよかった。

次点:うきはの歴史をめぐる
・時代に沿ってうきはの特徴的な歴史遺産を紹介しており画面構成は素晴らしい。一方、説明文の過ちが2か所あり残念。
・長い歴史を映像で切り取るならば、ゆったり、どっしり、しっかりとした映像を目指す。まずはテーマをしっかり持って、構成、映像作りをすると良い。
・地元の歴史と縁のある土地を結びつけていく、たいへん興味深い構成。
・単純に歴史の掘り起こしだけではなく、現在の浮羽との歴史的繋がりが感じられればさらに良かった。

棚田まなび隊2015第1回活動(雨天中止)

5月3日は、棚田まなび隊の今年第1回目の活動が予定されていましたが、あいにくの雨で、全体での活動は中止となりました。この日、地域では農家の方々が箱苗づくりを行い、田植えに向けた準備が着々と進められていました。集まったメンバーで作業を手伝いました。今年のまなび隊は、地元の農家の方々の耕作のお手伝いをします。

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