棚田まなび隊2017 第6回活動日

分田植え足しとBBQ【6月10日(土)快晴】

つづら棚田から川沿いに下ったところにある「分田集落」。細長い田が連なる、つづら棚田とはまた違った棚田の風景が広がります。ここも担い手不足の問題が深刻化する中、地域の方を中心とする団体(通称うきプロ)が2年前から約70枚近くの一団の棚田を代理耕作しています。2年前はまなび隊として、この活動に参加させていただきました。

この日の活動は、分田棚田の植え足しのお手伝い。山の棚田1枚1枚のかたちは、斜面や水源をはじめ、さまざまな要素のいい塩梅のなかで決まっていきます。なので、きれいな四角であることはほとんどありません。機械を使って田植えをする場合、そんな田んぼのすみや曲線になっている箇所は、人の手で植え足しをします。苗をもって畔に散らばり、すでに植えられている列にそって追加していきます。畔に近すぎると、今度は稲刈りの時に機械がはいりません。田んぼの面積を可能な限り有効活用できるよう、うきプロの方々の目が光ります。

植え足し作業がひと段落したところで、まなび隊の田んぼの様子を見につづら棚田へ。近づいていくと、葉先が茶色くなっているのが遠くからでも目立ちます。イネを観察すると、葉に細長く虫食いのような筋があります。後で調べてみると、どうやら「イネドロオイ」という虫の仕業のよう。害虫の侵入を防ぐためにも、こまめな畦の草刈りが欠かせません。一方、田んぼのなかはタニシやイモリ、カエルやオタマジャクシの楽園になっていました。安心できる穏やかな棲み処なのでしょう。

午後はうきプロの方々からBBQに誘っていただきました。地鶏や猪肉、イカにトウモロコシ、焼きそば、差し入れのかしわ飯、ビワ。マシュマロやバナナなんかも焼いてみたり。おいしいものを囲んで、初対面どうしでも不思議と会話が弾みます。庭の大きな桑の木の下が絶好のたまり場でした。デザートにマルベリーをつまめるんですから!どうも、ごちそうさまでした。

かじわら(隊長代理)

棚田まなび隊2017 第5回活動日

草取りと畑作り【6月4日(日)快晴】

田植えをした後は、収穫までとにかくこまめに草取りをします。ヒエやつゆ草、セリなどがよく見られる雑草です。イネより成長が早く、養分を奪ってしまうため、小さいうちからできるだけ芽を摘んでしまいたいのです。

ここで、一直線上に植わるようにこだわった前回の田植えが生きてきます。”イネの列から外れているものが雑草”というわけです。特にヒエはイネとそっくり。まだ小さいうちは背の高さで見分けがつきますが、同じくらいの背丈に成長すると一目ではわかりません。ただ、慣れてくると「あそこにヒエがあるな」と遠くからでもあたりをつけられるようになります。田んぼの秩序に違和感を感じるとでもいいましょうか。幸いなことにまだ雑草はそう多くはありませんでした。まだ小さいイネを倒さないように慎重に田んぼに分け入って目立つものを取り除きます。

この日心配になったのは、今年復田に取り組んでいる田んぼです。水が干上がり、泥にひびが入っていました。川の水量が足りていないのか、代掻き・畦塗が不十分で水が漏れているのか。地域の方からポンプで多めに水を入れてもらい応急処置。次回まで様子見です。梅雨が待ち遠しい限りです。

午後は畑作りに取り掛かりました。前回里芋をすでに植えており、追加で好きな苗を持ってくる持ち寄り畑スタイル。ゴーヤ・トマト・キュウリ・茄子・オクラ・シシトウ・唐辛子・ピーマン・落花生・インゲン、そしてメロン。

土を潤すため、畝を作り、地域の方にお願いして一気に放水してもらいました。美味しい身を結ばせるために、毎日の草取り、水やり、追肥や間引き、誘引、摘花など、畑には水田とはまた違う大変さがあります。

かじわら(隊長代理)

棚田まなび隊2017 第4回活動日

田植え、手植え、元気よく【5月21日(日)快晴】

「ピッ」
笛の音を合図に、みんな一斉にイネを植えていきます。5本で1束、人差し指と中指で挟み、親指を添え、泥の中に垂直に差し込みます。深く深く。水が深く、完全に水没してしまうところもあるのですが、根さえしっかり刺さっていれば大丈夫。イネは逞しいのです。

田植えのポイントは列と行を揃え、イネがグリット状に並ぶようにすること。手植えの時代も田植え縄と木製の直角定規を使って、一列一列、等間隔に付けられた田植え縄の赤い球を目印に、丁寧に植れられていたそうです。それは、美しさももちろんですが、この後の雑草取りや稲刈りまでの作業効率をよくするため。
この日は今年最多の参加人数でした。経験のある隊員は指導にあたり、田んぼ3枚の田植えを終わらせました。1枚にかかった時間は1時間弱。もくもくとイネと赤い球とのにらめっこ。ふと、隊員が「田植え歌が欲しいね」と「夏もちーかづく」とうたいはじめました。

今年は雨が少なく、水が張られていない田んぼもちらほら。今回わたしたちが復田に取り組んでいる田んぼも、干上がってしまっていました。地域の方が田植えができるように、と急遽ポンプで水を入れ代掻きをしてくださいました。けれども、この日は3枚田植えをするので精一杯で、こちらの田植えは後日に持ち越し。ことはそう簡単には運びません。

6月からは、水の管理と草抜きが主な作業。ヒエやセリとの闘いが待っています。

かじわら(隊長代理)

棚田まなび隊2017 第3回活動日

田んぼの畦塗【5月14日(日)快晴】

むにゅっ、とした泥の感触。
長靴をはいたままでは上手く歩けず、気が付けばみんな裸足でした。小さい頃の泥んこ遊びを思い出して、ちょっとテンションがあがります。

この日は田んぼの畦塗
田に水を張る準備として、水の浸透を防ぐために土の表面を泥でコーティングする作業です。

「こうやっての、泥をつけるったい」
指導をお願いしている地元の方はひょいひょいっと泥を鍬で運び、さらさらっと塗っていきます。

見るぶんにはとても簡単そうなのですが、実際にやってみると、結構大変。
塗るのにちょうどいい硬さの泥であったり、左官のように表面を滑らかに仕上げる鍬使い。泥に足をとられていることもあり、田んぼの中でうまく動くことができません。

それならばと、土を盛るスコップ組と畦を整える鍬組に工程を分業。技術のなさは人数でカバー。この日の参加者15名ほど総力をあげて取り組みました。
一旦昼食をはさみ、田んぼ4枚の畦塗が完了。ついでに里芋の畑も仕立てました。

1日の終わりに、つづら棚田の全景が見渡せる展望台へ。復田真っ最中の田んぼは白く泡立ち、つづら棚田の真ん中に存在感を放っていました。

かじわら(隊長代理)

MUJIキャナルシティ博多さんとの共働のお知らせ

今年から棚田まなび隊の活動をMUJIキャナルシティ博多さんが応援してくださることになりました。

棚田まなび隊の活動をMUJIさんからご案内していただくとともに、店舗4階のOpenMUJIのスペースで、棚田まなび隊に関する展示も行います。

よりよい形での共働ができるよう頑張っていきたいと思います。

MUJI.COMへ

棚田まなび隊2017 第2回活動日

土はおもいよ【4月30日(日)快晴】

機械でやるからといって、甘く見てはいけません。
この日の主な作業は、休耕田の田起こしでした。少なくとも10年以上耕作がされていない土地はとても硬く手押しの耕運機が土に負けて跳ねてしまうことも。

畑として使われていたころの名残か、アブラナ科であろう植物は手強く草刈り機では切れません。そんな時は人の手が必要です。

鍬を使って細かい部分を耕し、畦を作り、機械と人力を組み合わせて、土台づくりが自分たちなりに完了。
田んぼに使う竹の樋を使って、お昼はそうめん流し。動いているものはついつい取りたくなってしまうようでお腹いっぱいなのに、止め時を見失う隊員一同でした。

次は田んぼに水を入れ、代掻き・畔塗、5月末の田植えに臨みます。

かじわら(隊長代理)