棚田まなび隊2017 第8回活動日

畑の初収穫&サバ飯でカレーパーティー【7月10日(日)雨のち曇り】

雨天中止を一回挟み、1ヶ月ぶりの活動日となった第8回目。朝からしとしとと雨が降り続いてはいたものの、田んぼや畑の雑草や作物の生育具合が心配されたので、少雨決行となりました。各自カッパを着込んで、目立つ雑草だけを取り除きます。

この日は草取りに加えて、イノシシ対策の電柵を設置しました。
田んぼが囲われるように畦や石垣に棒を立てていき、電線が織り込まれた紐でそれらを繋ぐいでいきます。電源は太陽光発電を利用し、タイマー設定により夜だけ電流が流れる仕組みです。このとき、電柵に草が当たっていると、それを通じて電気が地面に逃げてしまうため、電気が全体に流れません。なので、電柵を張る前やその後、畔も、小まめな草刈りが必要なのです。

次は畑に向かい、野菜の収穫に取り掛かります。実は今回のメインイベントは畑の第一弾収穫祭!
とはいえ、野菜の苗を植えて約1ヶ月。雨天中止でほとんど放置状態だったため、荒れ放題で野菜も枯れているのでは……と、不安な雰囲気が隊員間に漂います。

農道を上っていき徐々に畑が見えてくると、案の定、草ぼうぼう。やっぱり厳しいかな?と思ったのも束の間、雑草の間から大きく育ったピーマンが顔をのぞかせていました。他にも、サヤインゲン、キュウリを収穫。トマトやナス、オクラはもうちょっと、といったところ。心配していたメロンもしっかりツルを伸ばし、花の蕾もできていました。土の力は偉大です。

意気揚々、気分上々、採れたての野菜とともにお昼ご飯!、といきたいところですが、ここから、もう1つメインイベント「サバ飯」への挑戦がはじまります。「サバ飯=サバイバル飯」は、アルミ缶2つを器に、牛乳パック3本を燃料とした、野外でご飯を炊く方法。気になる方は「サバ飯」で検索してみてください。
各自1合ずつお米をセットし、ひたすら燃やし続けること約30分。倒したり、火が消えたりなどのアクシデントを乗り越え、全員おこげつきのおいしい白飯を炊き上げることができました。ここから、ほんとうにお昼ご飯タイムのスタート。白米にはもちろん、ということで今年隊員として参加している無印良品さんにカレーを持参いただきました。しかも8種類!

時間はすでに2時半を回っていました。おなかはペコペコでしたが、ずらりと並ぶ、自分たちの手で作り上げた品々に、達成感はいっぱいです。

最後になりましたが、207年7月5日から6日にかけての大分県・福岡県筑後地方を襲った豪雨により被害に合われた方々・関係者の方々には、大変お悔やみを申しあげます。つづら棚田への道中に見える朝倉や杷木の風景が一変してしまっていることに言葉がでません。そして、棚田まなび隊が発足するきっかけとなった5年前の九州北部豪雨が思い出されてなりません。今回、まなび隊が活動する地域周辺には、幸いにも、特に大きな被害はでていないとのこと。今後も、常に自然と共にあることを忘れずに、私たちに今できることを精一杯向き合っていきたいと思います。

かじわら(隊長代理)

棚田まなび隊2017 第6回活動日

分田植え足しとBBQ【6月10日(土)快晴】

つづら棚田から川沿いに下ったところにある「分田集落」。細長い田が連なる、つづら棚田とはまた違った棚田の風景が広がります。ここも担い手不足の問題が深刻化する中、地域の方を中心とする団体(通称うきプロ)が2年前から約70枚近くの一団の棚田を代理耕作しています。2年前はまなび隊として、この活動に参加させていただきました。

この日の活動は、分田棚田の植え足しのお手伝い。山の棚田1枚1枚のかたちは、斜面や水源をはじめ、さまざまな要素のいい塩梅のなかで決まっていきます。なので、きれいな四角であることはほとんどありません。機械を使って田植えをする場合、そんな田んぼのすみや曲線になっている箇所は、人の手で植え足しをします。苗をもって畔に散らばり、すでに植えられている列にそって追加していきます。畔に近すぎると、今度は稲刈りの時に機械がはいりません。田んぼの面積を可能な限り有効活用できるよう、うきプロの方々の目が光ります。

植え足し作業がひと段落したところで、まなび隊の田んぼの様子を見につづら棚田へ。近づいていくと、葉先が茶色くなっているのが遠くからでも目立ちます。イネを観察すると、葉に細長く虫食いのような筋があります。後で調べてみると、どうやら「イネドロオイ」という虫の仕業のよう。害虫の侵入を防ぐためにも、こまめな畦の草刈りが欠かせません。一方、田んぼのなかはタニシやイモリ、カエルやオタマジャクシの楽園になっていました。安心できる穏やかな棲み処なのでしょう。

午後はうきプロの方々からBBQに誘っていただきました。地鶏や猪肉、イカにトウモロコシ、焼きそば、差し入れのかしわ飯、ビワ。マシュマロやバナナなんかも焼いてみたり。おいしいものを囲んで、初対面どうしでも不思議と会話が弾みます。庭の大きな桑の木の下が絶好のたまり場でした。デザートにマルベリーをつまめるんですから!どうも、ごちそうさまでした。

かじわら(隊長代理)

棚田まなび隊2017 第5回活動日

草取りと畑作り【6月4日(日)快晴】

田植えをした後は、収穫までとにかくこまめに草取りをします。ヒエやつゆ草、セリなどがよく見られる雑草です。イネより成長が早く、養分を奪ってしまうため、小さいうちからできるだけ芽を摘んでしまいたいのです。

ここで、一直線上に植わるようにこだわった前回の田植えが生きてきます。”イネの列から外れているものが雑草”というわけです。特にヒエはイネとそっくり。まだ小さいうちは背の高さで見分けがつきますが、同じくらいの背丈に成長すると一目ではわかりません。ただ、慣れてくると「あそこにヒエがあるな」と遠くからでもあたりをつけられるようになります。田んぼの秩序に違和感を感じるとでもいいましょうか。幸いなことにまだ雑草はそう多くはありませんでした。まだ小さいイネを倒さないように慎重に田んぼに分け入って目立つものを取り除きます。

この日心配になったのは、今年復田に取り組んでいる田んぼです。水が干上がり、泥にひびが入っていました。川の水量が足りていないのか、代掻き・畦塗が不十分で水が漏れているのか。地域の方からポンプで多めに水を入れてもらい応急処置。次回まで様子見です。梅雨が待ち遠しい限りです。

午後は畑作りに取り掛かりました。前回里芋をすでに植えており、追加で好きな苗を持ってくる持ち寄り畑スタイル。ゴーヤ・トマト・キュウリ・茄子・オクラ・シシトウ・唐辛子・ピーマン・落花生・インゲン、そしてメロン。

土を潤すため、畝を作り、地域の方にお願いして一気に放水してもらいました。美味しい身を結ばせるために、毎日の草取り、水やり、追肥や間引き、誘引、摘花など、畑には水田とはまた違う大変さがあります。

かじわら(隊長代理)

棚田まなび隊2017 第4回活動日

田植え、手植え、元気よく【5月21日(日)快晴】

「ピッ」
笛の音を合図に、みんな一斉にイネを植えていきます。5本で1束、人差し指と中指で挟み、親指を添え、泥の中に垂直に差し込みます。深く深く。水が深く、完全に水没してしまうところもあるのですが、根さえしっかり刺さっていれば大丈夫。イネは逞しいのです。

田植えのポイントは列と行を揃え、イネがグリット状に並ぶようにすること。手植えの時代も田植え縄と木製の直角定規を使って、一列一列、等間隔に付けられた田植え縄の赤い球を目印に、丁寧に植れられていたそうです。それは、美しさももちろんですが、この後の雑草取りや稲刈りまでの作業効率をよくするため。
この日は今年最多の参加人数でした。経験のある隊員は指導にあたり、田んぼ3枚の田植えを終わらせました。1枚にかかった時間は1時間弱。もくもくとイネと赤い球とのにらめっこ。ふと、隊員が「田植え歌が欲しいね」と「夏もちーかづく」とうたいはじめました。

今年は雨が少なく、水が張られていない田んぼもちらほら。今回わたしたちが復田に取り組んでいる田んぼも、干上がってしまっていました。地域の方が田植えができるように、と急遽ポンプで水を入れ代掻きをしてくださいました。けれども、この日は3枚田植えをするので精一杯で、こちらの田植えは後日に持ち越し。ことはそう簡単には運びません。

6月からは、水の管理と草抜きが主な作業。ヒエやセリとの闘いが待っています。

かじわら(隊長代理)

棚田まなび隊2017 第3回活動日

田んぼの畦塗【5月14日(日)快晴】

むにゅっ、とした泥の感触。
長靴をはいたままでは上手く歩けず、気が付けばみんな裸足でした。小さい頃の泥んこ遊びを思い出して、ちょっとテンションがあがります。

この日は田んぼの畦塗
田に水を張る準備として、水の浸透を防ぐために土の表面を泥でコーティングする作業です。

「こうやっての、泥をつけるったい」
指導をお願いしている地元の方はひょいひょいっと泥を鍬で運び、さらさらっと塗っていきます。

見るぶんにはとても簡単そうなのですが、実際にやってみると、結構大変。
塗るのにちょうどいい硬さの泥であったり、左官のように表面を滑らかに仕上げる鍬使い。泥に足をとられていることもあり、田んぼの中でうまく動くことができません。

それならばと、土を盛るスコップ組と畦を整える鍬組に工程を分業。技術のなさは人数でカバー。この日の参加者15名ほど総力をあげて取り組みました。
一旦昼食をはさみ、田んぼ4枚の畦塗が完了。ついでに里芋の畑も仕立てました。

1日の終わりに、つづら棚田の全景が見渡せる展望台へ。復田真っ最中の田んぼは白く泡立ち、つづら棚田の真ん中に存在感を放っていました。

かじわら(隊長代理)

MUJIキャナルシティ博多さんとの共働のお知らせ

今年から棚田まなび隊の活動をMUJIキャナルシティ博多さんが応援してくださることになりました。

棚田まなび隊の活動をMUJIさんからご案内していただくとともに、店舗4階のOpenMUJIのスペースで、棚田まなび隊に関する展示も行います。

よりよい形での共働ができるよう頑張っていきたいと思います。

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