棚田まなび隊2016第10回活動

8月28日、棚田まなび隊が今年10回目の活動を行いました。この日は9名の隊員がつづら棚田に集まり、掛け干し用の竹の伐り出しと田んぼの草取りを実施しました。
まなび隊の活動も残りわずかとなり、次回はいよいよ収穫のときを迎えます。今年は刈り取った稲を機械で乾燥させるのではなく、掛け干しにしたいと考えています。掛け干しをすると、お米の味が一段と良くなるのだそうです。この日は次回の稲刈りに備え、掛け干し用の竹を伐り出していきました。竿となる太くて長い竹をノコギリで伐っていきます。
山の中で竹を伐る人とその竹の枝を落とす人とに分かれて作業を行いました。竿用の竹は長さを揃え、全部で5本用意しました。続いて竿を支える支柱となる細い竹を50本伐り出していきました。なかなかの重労働であるのに加えて、この日はあいにくの雨だったため、骨の折れる作業となりました。

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▲2時間ほどかけて、これだけの竹を伐り出すことができました。

なんとか目標の数だけの竹を伐り出すことができ、隊員たちは達成感を感じていたのですが、そのあと地域の方にお話を伺ったところ、掛け干しの竿となる竹は私たちが伐った孟宗竹ではなく、真竹でなければならないことが判明。孟宗竹は太くて重量があるため、掛け干しには軽い真竹が向いているのだそうです。隊員たちは事前に勉強しておくことの重要性を身をもって学びました。
改めて真竹を伐り出し、学習田へと運んだあとはお昼休憩をとりました。昼食には分田の畑で採れたモロヘイヤをスープにして、みんなで美味しくいただきました。前回の活動で収穫したにも関わらず、さらに成長していたモロヘイヤには自然の力を感じました。
午後からは草取りのために田んぼへと向かいました。稲穂は徐々に色づきはじめ、頭が垂れており、いよいよ収穫の時期が近づいたことが感じられます。

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▲前回は青々としていた稲穂も黄色味を帯びてきています。

これまで何度も草取りを行ったこともあり、上の田んぼ2枚にはほとんど雑草が見られませんでしたが、一番下の田んぼには稲からひょっこり顔を出したヒエの姿が見られました。田んぼの中へと入り、生えているヒエなどの雑草を取り除いていきました。

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▲成長した稲を掻き分けながら、雑草を取り除いていきます。

無事に収穫できることを祈りながら、この日は16時頃の解散となりました。 次回の活動では、待ちに待った稲刈りを行う予定です。

文:丸山千尋
写真:九州大学菊地研究室

棚田まなび隊2016第9回活動

8月7日、棚田まなび隊が今年9回目の活動を行いました。7名の隊員が集まり、この日は田んぼの草取りを行ったあと、田より早く実りを迎えた畑の野菜の収穫祭を行いました。
まなび隊の学習田には除草剤を使っていないため、これまで頻繁に草取り作業を行ってきました。その成果か、稲の天敵であるヒエはほとんど見られず、雑草もあまり目立たなくなってきました。今回は1時間ほどで3枚の田んぼの雑草を取り除きました。

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▲1枚目の田んぼ。両側から雑草を取り除いていきます。

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▲作業中、地元の方が激励の声をかけてくださいました。

その後、畑へ移動し、前回の活動で少し収穫を試みた野菜の本格的な収穫を行いました。大小6つのカボチャとザル2杯分の枝豆、大量のモロヘイヤを採ることができましたが、枝豆は実が太り過ぎて固くなり、収穫期が少し遅れてしまったようにも感じました。

その場で洗って試食してみたモロヘイヤは、肉厚で食べ応えがありました。
昼前に野菜を採り終えると、学習田のある集落内の民宿「つづら山荘」の庭で収穫祭の準備を始めました。献立はカボチャの天ぷら、モロヘイヤの天ぷら、モロヘイヤスープ、枝豆の塩茹でです。アウトドア経験に長けたS副隊長のおかげでサクサクの天ぷらが揚がり、「さっきまで生きていた野菜だから美味しいに決まっているよね」と言いながら、皆で採れたての野菜を堪能しました。

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▲取れた野菜を皆で調理しています。

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▲サクサクに揚げられたモロヘイヤの天ぷら。

次回8月末の活動は草刈りと竹の伐り出しを行い、9月の稲刈り、掛け干しに備える予定です。

文:前野眞平
写真:九州大学菊地研究室

棚田まなび隊2016第8回活動

7月24日、棚田まなび隊8回目の活動を行いました。6名の隊員が集まり、前回の活動に引き続き田んぼの草取りと、畑の野菜を収穫しました。
午前中は畑での作業です。畑を見渡すと、5月中旬に植えたカボチャ、6月上旬に植えた枝豆・モロヘイヤの苗が順調に成長していたため、この日は少しだけ収穫してみることにしました。採れたモロヘイヤはスープに、枝豆は塩茹でにして、お昼に皆でいただきました。山の中で食べる採れたての野菜の味は格別で、あっという間に食べ切ってしまいました。

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▲顔ほどの大きさのカボチャが5,6個実っていました。

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▲モロヘイヤは1mを超える高さに。余っていたスペースへさらにモロヘイヤの苗を植えつけました。

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▲収穫した枝豆をひとつひとつ切り離しています。皆、枝豆が一番美味しかったようです。

午後は田んぼへ移動し、草取りの作業を行いました。葉で水面が見えないほど稲も成長してきており、隊員らは葉を掻き分け、顔を埋めるようにして雑草を取り除きます。
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▲2枚目の広い田んぼ。稲の密度が非常に高くなってきました。

稲を掻き分けると、根元に潜む雑草が姿を現します。
暑い中大変な作業が続きましたが、無事3枚の田んぼの草取りを終えることができました。作業後は皆でスイカ割りを楽しみ、涼しい気分での解散となりました。

文:前野眞平
写真:九州大学菊地研究室

棚田まなび隊2016第7回活動

7月3日、棚田まなび隊が今年7回目の活動を行いました。この日は11名の隊員がつづら棚田に集まり、田んぼの草取りと畑に藁を敷く作業を実施しました 。
2週間前の除草作業で、ほとんどの雑草を取り除いたにもかかわらず、すでに多くの雑草が顔を出していました。それと同時に稲が一回り大きくなっており、少しずつ成長している様子が見て取れました。また、今回の草取りでは、前回の活動を踏まえ、雑草を入れる袋や浮き草を掬う網、草の根を切るための熊手を用意しました。

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▲成長した稲と地面からひょっこり顔を出した雑草。

初めは3枚の田んぼを3〜4人ずつに分かれて草取りを行いました。しかし、成果がなかなか目に見えないことから、全員で1枚ずつ作業するやり方に切り替えました。
熊手で草の根を切る人と網で浮き草を掬う人の二手に分かれて作業をしました。一番上の田んぼでは水面に浮き草が多く見られ、網や袋を使って取り除いていきました。一方、真ん中の田んぼはあまり水が入っていなかったため、草が抜きにくく、泥に足を取られる場面もありました。12時過ぎに一旦作業を切り上げ、お昼休憩をとりました。

この日の昼食は、稚奈副隊長の提案でアルミ缶を使ってお米を炊く、サバイバル飯こと「サバメシ」に挑戦しました。そのほかにも、各自で食材を持ち寄って調理し、充実したお昼ご飯となりました。

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▲サバメシに挑戦した5人全員が、ご飯を炊くことに成功しました。

午後からは午前中の作業に引き続き、残りの田んぼの草取りを行いました。途中、雨に降られて作業を一時中断しなければならない場面もありましたが、無事3枚の田んぼの除草作業を終えることができました。 その後は、分田の畑へと移動し、草取りと敷き藁を行いました。藁を畝全体に敷くことで、野菜の傷や汚れを防いだり、ツルが巻きつくのを手助けしたりする効果があるのだそうです。

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▲カボチャなどの地面を這って育つ野菜に敷き藁を行います。

野菜がうまく実ることを祈りながら、この日は16時頃の解散となりました。次回の活動では、再び田んぼの草取りを行う予定です。
文:丸山千尋
写真:九州大学菊地研究室

棚田まなび隊2016第6回活動

6月19日、棚田まなび隊6回目の活動を行いました。6名の隊員が集まり、この日は前回の活動に引き続き3枚の田んぼと畑の草取りをしました。
2週間前、田植え後初めての草取りを行ったのですが、そのおかげか稲は20センチほどの高さまで順調に成長していました。再び生え始めた雑草を取り除きながら、今日は野草図鑑に照らし合わせて取った雑草の種類を調べてみることにしました。正しいかどうか分かりませんが、ヒエ、セリ以外にもウリカワ、ツユクサなど全部で6種類ほどの雑草が確認できました。

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▲稲の根元付近の雑草まで見落とさないよう、丁寧に取り除いていきます。

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▲取った雑草を図鑑や写真と見比べながら「これじゃない?」と言い合いました。

昼食休憩を挟みながら3枚の田んぼの草を取り終えると、次に畑の様子を見に行きました。こちらは前回の活動でカボチャの葉に吹き付けた木酢液が効果を発揮し、ほとんど虫に食べられていた葉が立派に成長していました。しかし、同じくらい雑草も生えていたため、手作業で草取りを行いました。

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▲カボチャは雑草にツルを巻きつけながら、地面に這うように成長していました。

カボチャの隣に植えてマルチングを施していたモロヘイヤと枝豆は、あまり成長していませんでした。モロヘイヤの苗はポットで余分に育てているため、次回以降また植え直してみたいところです。うまくいくこと、いかないこと様々ですが、田んぼや畑の変化と向き合い一喜一憂する時間が隊員の楽しみになってきました。
次回は再び田んぼの草取りと、イノシシ対策の電柵を設置する予定です。

文:前野眞平
写真:九州大学菊地研究室

棚田まなび隊2016第5回活動

6月5日、棚田まなび隊5回目の活動を行いました。作業は、野菜の苗の植え付けと田植え後の草取りでした。
集合はいつものつづら棚田ではなく、野菜づくりをしている分田にしました。11名の隊員が集まり、3週間前に耕した畑に枝豆とモロヘイヤの苗を植えつけました。
現地では、既に植えていたカボチャの苗が見当たらないほど、雑草が伸びていました。そのため、まずは雑草を取り除く作業から始めました。すると雑草の中に見覚えのある葉が。昨年この畑で育てたジャガイモの種が残っていて、それが自然に育ってできた葉でした。せっかくなので、枝豆やモロヘイヤと一緒に、ジャガイモも育てていくことにしました。

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▲3週間であっという間に生い茂った雑草。生命力の強さを感じます。

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▲自然に育ってくれたジャガイモ。一度掘り出して、綺麗に並べ直すことにしました。

また、3週間前に植えたカボチャの苗がかなりの部分を虫に食べられてしまったため、木酢液を葉に吹き付けて虫対策をしました。枝豆・モロヘイヤ・ジャガイモを植える畝には、マルチングをしました。

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▲マルチシートを使って雑草対策を施し、今後の順調な生育に期待します。

畑での作業が終わると、つづら棚田へ移動して昼食を取り、午後は田んぼの草取りを行いました。
この日指導をしてくださったのは、守る会の堤さん。一般的には、田植えをした後1週間以内に除草剤をまき、稲の生育を妨げるヒエやセリの繁殖を抑えます。除草剤は田んぼに水が張った状態でまき、しばらく水の給排水をせず流れを止めることでしっかり効くということでした。
まなび隊の学習田には除草剤をまかない方針なので、畦際や苗と苗の間にヒエやセリがすでに生えてきていました。

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▲稲とヒエは非常に似ています。根元に毛が生えているのが稲で、そうでないものはヒエという風に見分けるそうです。

雑草を見落とさないよう、じっくりと足を進めながら草を取っていきました。
今回取り除くことができたヒエやセリのように水面までは達していないものの、雑草予備軍のような小さい葉がたくさん潜んでいました。2週間後にまた草取りを行う予定ですが、これから梅雨の時期に入ったり気温が上昇したりしても雑草に負けないよう努めたいところです。

文:前野眞平
写真:九州大学菊地研究室