棚田まなび隊2017 第1回活動日

4月23日、棚田まなび隊の今年1回目の活動が行われました。今年で4年目となる棚田まなび隊は、昨年に引き続き、日本棚田百選にも選ばれた「つづら棚田」を舞台に、米作りや棚田について学んでいきます。今年はさらに、休耕田の復田に挑戦します。


今年のまなび隊は、この中の5枚の田んぼをお借りし、稲作や野菜作りを行います。

この日は雲ひとつない晴天に恵まれ、8名の新規隊員を含む合計13名の隊員が集まりました。初めに地元農家の坂本さんから九州北部豪雨のことや葛篭集落の状況についてお話をしていただきました。現在、この集落では棚田の担い手不足という大きな問題を抱えており、まなび隊の活動が少しでも地域に貢献することができたらと思います。
隊員たちは実際に刈り払い機を手に取りながら、坂本さんからその使い方を教えていただきました。周囲に対して十分な距離を保つことや草に隠れた石などが刃に当たってはね返るキックバックに注意が必要なのだそうです。


坂本さんによる刈り払い機の使い方講習。

隊員たちは準備体操を終えると、いよいよ作業を開始しました。刈り払い機の経験者は田んぼの畦や石垣付近を中心に草刈りを行い、初めての人は道路沿いの草を刈っていきました。その後、1時間ほど作業をし、みんなでお昼休憩をとりました。


田んぼへ向かう途中、石垣は1つの石に対して6つの石が囲むことで安定しているのだと教えていただきました。


道路脇の草刈り。

昼食をとった後は、みんなで復田する田んぼを見に行きました。約10年もの間、使われていなかった田んぼには、大量の雑草が生い茂っていました。次回の活動からここの復田が始まります。


今年はこの田んぼを復田し、お米と野菜作りに挑戦します。

その後、残りの草刈り作業を終えると、この日は15時頃の解散となりました。

文:丸山千尋
写真:九州大学菊地研究室

平田オリザ氏講演録を発行しました

うきはの栞の新シリーズとして、初のブックレットを発行しました。

内容は2016年3月にうきは市民センターで開催された平田オリザさんの講演録です。演劇・演劇ワークショップ・教育に造詣の深いオリザさんが、大正時代のうきはに存在した農村劇団にからめ、演劇活動の意義から地方都市はこれから何を大事にしていくべきなのかに亘ってお話しくださいました。

以下の場所で販売しています。どうぞお手に取ってご覧ください。

○うきは市民センター(浮羽市図書館) うきは市浮羽町朝田582-1
 2階 うきはブランド推進本部
○MINOU BOOKS & CAFE  うきは市吉井町1137
 http://minoubooksandcafe.com

演劇が人を育てるということ -平田オリザ氏講演録-
A5版54ページ〔定価500円〕

棚田まなび隊2017隊員募集のお知らせ

春になりました!棚田まなび隊では、今年も日本棚田百選にも選ばれたつづら棚田をお借りして、浮羽の棚田や暮らしのことを学びながら、耕作を行います。
今年も田んぼ&畑に取り組みます!一緒に学びませんか。

日々の活動、連絡についてはフェイスブックで報告しています。

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応募資格
田んぼや農業について学ぶ意欲のあること、一緒に知恵を出し合い汗をかけること。地元の農家の方々に指導してもらいますので、まったくの初心者でも構いません。

会費 〔保険料、農機具賃料等を含みます〕
大人: 4000円/人
10歳~学生: 2000円/人
*危険な作業もあるため、10歳未満のお子さんは基本的にご遠慮いただいています。

ビジター:1000円/回

活動日
以下を予定しています。天候や生育状態により変更する場合があります。
このうち数回は前泊しての活動も計画します。

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活動時間
毎回10:30〜15:00 ←時間が変更になっています!

集合場所
つづら棚田駐車場(福岡県うきは市浮羽町新川つづら)

その他
・農作業ができる服装で来てください。長そでシャツ、長ズボン、長靴、農作業用手袋、帽子などがおすすめです。農作業道具はこちらで用意いたします。
・お子さんの参加も可能ですが、農作業には危険を伴う場合がありますので、必ず保護者が監督してください。
・参加者全員を対象に、活動団体で傷害保険に加入します。
・現地までの交通費、食費は自己負担です。必要に応じて昼食や飲み物をご持参ください。
・活動の連絡は、浮羽まるごと博物館ホームページ、Eメールで行います。
・天候や稲の生育状態により、日程や活動内容を変更する場合があります。あらかじめご了承ください。
・とれたお米は、会費に応じて分配します。昨年は豊作で4kgの分配となりました。(※ビジターへの分配はありません)
・活動への申し込みで収集した個人情報は、棚田まなび隊活動の連絡および傷害保険への加入のためのみに使用し、それ以外の目的には使用しません。
・活動時の写真及び映像は、ホームページや広報物等に掲載することがあります。お望みでない場合はあらかじめお申し出ください。

申込み方法
以下に記入の上、送信してください。
うまく送信できない場合は、お手数ですが以下へメール送信お願いいたします。 ukiha.maruhaku@gmail.com

    お名前(必須)

    メールアドレス(必須)

    住所〒

    都道府県

    市町村以下

    自宅電話番号

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    参加区分
    隊員ビジター

    最初の参加日(ビジターの方は参加希望日・必須)

    メッセージ

     入力内容をご確認の上チェックを入れてください

    手続き等
    お申込みいただいた方には2日以内に返信のメールを差し上げます。メールが届かない場合はご連絡ください。

    お問合せ
    浮羽まるごと博物館ホームページお問合せフォームでお問合わせください。

    〔フライヤーA5版 PDF:718KB〕

     

    棚田まなび隊2016第13回活動【収穫祭】

    11月13日、棚田まなび隊が今年最後の活動を行いました。爽やかな秋空の下、今年とれた新米を味わう収穫祭の開催です。
    収穫祭前日、隣の分田集落の蔵で保管していた玄米の一部を精米しようとしていたところ、分田でギャラリー安政を営む東野さんにお会いしました。「今年のお米は小粒だけどとても美味しいですよ」と声をかけてくださり、翌日の収穫祭がますます楽しみになりました。
    当日は10時に12名の参加者がつづら山荘へ集まりました。お昼に向けてうきはの野菜をふんだんに使った豚汁をつくり、また各自ご飯に合うおかずを少しずつ持ち寄りました。
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    つづら山荘の台所で、お昼の準備をしています。
    食事の準備が終わると開始まで1時間ほど余ったので、今年1年間活動の場となったつづら棚田を散策することにしました。葛篭集落を囲む山林は部分的に紅葉していて、この日は天気も非常に良く絶好の散策日和でした。つづら棚田の仕組みや耕作している人々のことを想像しながら、ゆっくりと農道を巡りました。
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    つづら棚田の散策。所々に見られる紅葉が美しいです。
    お腹をすかせてつづら山荘へ戻ると、台所の釜からお米の良い香りが漂っていました。いよいよ収穫祭の始まりです。お茶碗によそわれたお米は一粒一粒が艶々としていて、味も大変美味でした。隊員らは代わる代わる立ち上がって2杯、3杯とお替りしていました。
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    いよいよ会食。皆で持ち寄ったおかずを少しずついただきました。
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    炊きたての新米と具沢山の豚汁。
    心ゆくまで食事を楽しんだ後、米袋に入った新米がひとりずつ手渡されました。「来年も頑張りましょう」という副隊長のあいさつと共に、今年の棚田まなび隊すべての活動が終了しました。
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    収穫米の贈呈式。今年は豊作で、ひとり4キロのお米がとれました。
    こうして美味しいお米を収穫し、皆で達成感を味わうことできたのは、度重なる草取りや風雨による稲木の転倒にもめげずに3枚の田んぼへ愛情を注いできた隊員だけでなく、日々の生活の中でまなび隊の活動を気にかけ、手を尽くしてくださった地元の方々のおかげです。1年間、本当にお世話になりました。
    また、棚田まなび隊の活動記録を毎回読んでくださった皆様、1年間ありがとうございました。

    文:前野眞平
    写真:九州大学菊地研究室

    棚田まなび隊2016第12回活動

    10月15日、棚田まなび隊が今年12回目の活動を行いました。9名の隊員が集まり、この日の作業は前回の稲刈りから3週間天日干しをした稲の脱穀と籾摺りです。

    つづら棚田の辺りは、前回の掛け干しの後しばらく悪天候が続いていました。10月2日に隊員が学習田の様子を見に行くと1本の稲木の端部が折れていて、その4日後には台風18号でさらに2本の稲木が倒れていました。2回の修復活動により、なんとか今日まで天日干しの状態を保つことができました。

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    ▲台風で倒れた稲木。(10月6日撮影)

    脱穀を始める前に、米の水分量を測定しました。まなび隊の指導をしてくださる「棚田を守る会」の堤さんによると、籾摺りをするためには含水率15%以下の状態が望ましいとのこと。測定結果の14.3%という数字を確認できたところで、脱穀作業スタートです。

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    ▲数粒の籾を摺り落とし、水分計にセットして測定を行います。

    稲は一束ずつコンバインに通します。丁寧に通さなければ稲が刃にうまく噛まれず、実が付いたまま藁と一緒に吐き出されてしまいます。実が残った稲はもう一度拾い集め、束にしてコンバインへ通しました。皆で作業を分担して、脱穀作業は午前中で無事完了しました。

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    ▲この日コンバインの操縦とご指導をしてくださった堤さんと樋口さん。

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    ▲コンバインが入れない田んぼの稲は、竿ごと移動させました。

    その後、軽トラックへお米を積んで近くの一之瀬ライスセンターへ向かいました。ここで機械による籾摺りを行い、最終的な収量は115kg(+くず米9kg)となりました。今年は夏場に良い天気が続いたこともあり、この辺り一帯は例年に比べ豊作だったようです。出来たての新米が詰まった4つの米袋を囲みながら、皆で達成感を味わいました。

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    ▲ライスセンターで籾摺りを行い,115kgの玄米ができました。

    いよいよ最終回となる次の活動は、1年間を締めくくる収穫祭の予定です。

    文:前野眞平
    写真:九州大学菊地研究室

    棚田まなび隊2016第11回活動

    9月25日、棚田まなび隊11回目の活動を行いました。13名の隊員が集まり、今日はいよいよ稲刈りです。3枚の棚田の稲を、機械を使わず鎌を使って刈っていきます。

    棚田まなび隊の活動は今年が3年目です。今回は守る会の方々が忙しく来ていただけなかったので、経験のある隊員が今年からの新隊員に、稲のつかみ方、つかむ位置、鎌の使い方を説明しました。親指を下にして手のひら全体で稲をつかみ、鎌を手前に引きながら刈ります。想像していたよりも力は必要なく、サクッと刈ることができました。

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    ▲大きく育った稲に埋もれながら稲刈りを行っていきました。

    次に、稲を掛け干しするために、藁で稲を結んでいきます。これにはコツが必要で、慣れるまでは苦戦しました。藁を3,4本とり、稲の束をくびっていきます。まず、稲の切り口を地面でトントンとならして揃えます。次に、稲の下から4分の1くらいのところを藁で1周させ、余った藁をねじります。稲が固定したところで、余った藁を結び目に入れ込み、完成です。
    稲を竿に掛ける際には稲束をただ2つに割るのではなく、中心から交差させるようにずらすことがポイントです。

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    ▲結び目がゆるいと竿に掛ける際にほどけてしまうので、しっかり結びます。

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    ▲掛け終わった稲と記念撮影。みなさんお疲れさまでした。

    無事この日のうちに3枚全ての田んぼを刈り終えました。刈り取った稲が想像以上に多く、用意した竹竿5本に掛けることができませんでした。そこで、ところどころ2段重ねにすることで全ての稲を掛け終わりました。
    草刈り、畦塗り、田植え、雑草取りと活動を重ね、稲の成長を見てきたので、刈り終えた時に感じた達成感はとても大きかったです。また、守る会のみなさまには、いろいろ教えてくださったり、サポートしてくださったりと大変お世話になりました。
    次回の活動は、脱穀です。今回掛け干しした稲が、台風やイノシシに負けずに脱穀を迎えることを祈りたいです。

    文 : 芦澤郁美
    写真 : 九州大学菊地研究室