棚田まなび隊の第3回作業を行いました

4月27日に、棚田まなび隊の第3回目の農作業が行われました。新メンバーが4名加わり、20人が集まりました。

午前中は、機械を使って田起こしを行いました。田んぼの持ち主の方のご指導のもと、希望者が一人ずつ運転を体験しました。棚田で使うトラクターは平地で使うものよりも小さく、小回りがきくようになっています。隊員たちは旋回も体験し、棚田での機械作業を体感していました。

その間、隊員から川へ降りる道をつくろうという声があがりました。以前の道は沈み橋とともに豪雨災害で流されてしまっていたそうです。前回までの作業で田んぼから運び出した土砂を均して整備し、川の石で固定することで道ができました。道に沿う石垣の草抜きも行いました。こうして災害で寸断されてしまった田んぼへのアクセスが少し改善されました。

午後からは、田んぼの持ち主の方の家に移動し、箱苗づくりの講習会が行われました。まなび隊では、種もみを発芽させ、苗を育てるところから学びます。田んぼの持ち主のご夫妻が先生となり、箱苗づくりの第一段階である種もみの消毒、催芽(種もみを発芽させること)、種まきの方法を教えてくださいました。その中で、苗代田で苗を育てていた時代のお話もあり、隊員たちは興味深く聞き入っていました。
隊員は種もみと消毒液を持ち帰り、次回の作業で行う種まきのタイミングに合わせて、各自で種もみの消毒・催芽に挑戦します。

地元の方の協力や提案によって、まなび隊の活動は当初の予定以上に充実してきています。

レポーター:佐々木悠理(九州大学菊地研究室)

 

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第2回活動記録←                 →第4回活動記録

棚田まなび隊の第2回作業を行いました

4月20日に、棚田まなび隊の第2回目の農作業が行われました。新メンバーが2名加わり、13人が集まりました。

雨天でしたが、田んぼの状況をみた天満隊長のゴーサインで決行となりました。当初は13日に予定していた作業が雨天中止となっていたこともあり、農作業が天候に左右されることを改めて実感しました。

作業の前に、まなび隊のオリジナルTシャツがお披露目されました。デザイナーから、田んぼに映える黄色を選んだとの説明がありました。次回からは皆でこのTシャツを着て、一体感を強められることでしょう。

第1回の作業に引き続き、石や川砂の運び出しを行い、午前中で完了しました。10~20人がかりでの2回目の作業にして、やっと1枚の田んぼが災害から元の姿に復旧しました。午後からは心配していた天気も持ち直し、石拾いと最終的な整備、隣の田んぼの木屑拾いを行いました。

レポーター:佐々木悠理(九州大学菊地研究室)

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第1回活動記録←                 →第3回活動記録

 

棚田まなび隊の第1回作業を行いました

2014年3月23日、棚田まなび隊の記念すべき第1回目の農作業が行われました。心地よい陽気の中、地元の方も含め20名が石や川砂の運び出しに取り組みました。

朝10時、新川公民館にまなび隊メンバーと地元の方が集まりました。まず、天満隊長よりこの活動について説明があり、田んぼの持ち主の熊抱さんと浮羽まるごと博物館協議会の佐藤会長から挨拶がありました。

参加者の自己紹介の後、全員で畦道を通って農機具を目的の田んぼまで運び入れ、作業を開始しました。今回の作業は、田んぼの耕作をはじめる前段階として、水害により田んぼに入りこんだ石や川砂の撤去です。この田んぼへアクセスしていた沈み橋や農道が一昨年の洪水で流され、ユンボなどの大型機械を入れることができません。まずは、田んぼにごろごろと転がっている大きな岩や石から運び出していきました。一見、一人で運べそうな石も持ち上げようとすると思いのほか重く、大きな石は数人で協力し合って動かして、何とか川へ転げ落とすと歓声が上がりました。

石を出し終えると、次に川砂の撤去作業に取り掛かりました。はじめは思い思いの場所で別々に川砂の搬出に取りかかりましたが、それでは効率が悪いということで、作業場所を定め、分業による流れ作業で進めることにしました。それからは作業スピードが一気にあがり、午前中に田んぼの2分の1程の表土が見えるようになりました。

午後からも、午前中に培った流れ作業で土砂を撤去していき、午後3時には1枚の田んぼの土砂をほぼ搬出し終えました。皆さん重労働でお疲れの様子でしたが、作業後の表土が広がるきれいな田んぼを見ては互いに達成感を口にしていました。田んぼに水を張ったときの様子が目に浮かび、これからの稲作が楽しみです。

次回まで川砂の撤去作業を行い、いよいよ稲作の準備に取り掛かります。

レポーター:赤司小夢(九州大学菊地研究室)

 

→第2回活動記録

大原一興先生講演会を実施しました

2014年2月27日にうきは市民センターにて大原一興先生の講演会を実施しました。
講演会では、豊富なスライドとともに、次のようなお話がありました。

○エコミュージアムとは
・一般の博物館では建物があって、壁があるが、エコミュージアムは建物主体ではない。
・一般の博物館は、専門家が教え、来訪者が教わるという関係だが、エコミュージアムでは住民が主体になって教える。
・たとえば、チョウの場合、一般の博物館は分類を目的とするが、エコミュージアムではどんな環境で、何をエサにしているかなど、生態の理解を目指している。

○エコミュージアムの活動の例
・農場の歴史を住民が調査し、記録している例。
・水車を回れる道を地元住民が作り、小屋を建てて展示館にしている例。
・コウノトリをゲージに閉じ込めて展示するのでなく、農家の上に巣をつくるのを待っている例。
・朽ちた水車を保存したが、それでは回すという行為が保存されないので、地元で復元作業を行った例。などなど。

○日本のエコミュージアム
・日本で最初に始めたのは山形県朝日町で1989年のこと。
・朝日町では宝探しを行って、シート化し、パネルにもしているが、次の世代にどう伝えていくかが課題になっている。
・洞爺湖では噴火で壊れた建物をそのまま展示している。
・足尾銅山では3つの組織があり、それぞれが活動を行っている。
・館山では、日本地図をさかさまに見て、太平洋に一番出ている場所、ということを発見。青木繁が「海の幸」を描いた場所でもあり、この地方に残る祭りとの関連など、テーマを見つけ楽しんでいる。
・館山ではこのような活動が活発になり、自分の家に残るものを調べ、案内を始める人も出てきた。このような活動を進めているのは、もと社会科の先生。学校の先生はこうした活動に向いているかもしれない。

○まとめ、質疑応答から
・浮羽は、さまざまな資源がたくさんある素晴らしい場所。仲間をすこしずつ増やしていくときっと良いものになる。
・聞き書きは、やったほうがよい。効率的かどうかはともかく、聞かれた方も自分の価値に気づくし、聞きだす方にも発見がある。いかに話を引き出していくかが大事。
・戦時中の暮らしなど、記録があまり残っておらず、話を聞ける人も減っている。早く始めた方が良い。
・昔の写真などを持っていくと、話を聞くのも効果的。小学生にお年寄りの体験を聞きに行かせるという活動も各地で行われている。

この他にも興味深いお話がたくさんありました。

これからの活動のアイディアなどがたくさん浮かんだ方もいらっしゃったのではないでしょうか。
いろいろ活かしていきたいと思います。

大原先生。本当にありがとうございました。

棚田まなび隊サポーター募集のお知らせ

棚田まなび隊では、2012年の九州北部豪雨で被害を受け、耕作ができなくなっている棚田を1枚お借りし、耕作しながら棚田の仕組みや稲作の知恵と知識を学ぶ、という活動を行います。
浮羽の棚田のことや、1年を通したお米づくりについて、私たちと一緒に学びませんか。

応募資格
田んぼや稲作について学ぶ意欲のあること、田んぼを復活させる意気込みがあること、一緒に知恵を出し合い汗をかけること。地元の農家の方々に指導してもらいますので、まったくの初心者でも構いません。

会費 〔オリジナルTシャツ代、保険料、農機具賃料、苗料を含みます〕
大人: 4000円/人
小学5年生〜学生: 2000円/人
*体力を使う作業が含まれているため、小学4年生以下は基本的にご遠慮いただいています。

活動日
第1回目は3月23日に行います。
以降、月に1~3回、計15回程度を予定しています。すべて日曜日に実施する予定です。

3月23日団結式、 田んぼの土砂出し
4月 農道整備、草刈り、田おこしなど
5月イデ清掃、畦塗りなど
6月田植え、草取りなど
7月〜9月 草取り、草刈りなど
9月末 稲刈りなど
10月初収穫祭

活動時間
10:00〜15:00

集合場所
新川公民館(福岡県うきは市浮羽町新川2515)

より大きな地図で 新川公民館 を表示

その他
・参加者全員を対象に、活動団体で傷害保険に加入します。
・現地までの交通費、食費は自己負担です。
・活動の連絡は、浮羽まるごと博物館ホームページ、Eメールで行います。
・天候や稲の生育状態により、日程や活動内容を変更する場合があります。あらかじめご了承ください。
・活動への申し込みで収集した個人情報は、棚田まなび隊活動の連絡および傷害保険への加入のためのみに使用し、それ以外の目的には使用しません。
・活動時の写真及び映像は、ホームページや広報物等に掲載することがあります。お望みでない場合はあらかじめお申し出ください。
・当初、隊員とサポーターの募集を予定しておりましたが、最初はお試し期間として全員サポーターからスタートすることにします。

申込み方法
申込フォームに記入の上、送信してください。
申込フォーム←クリック
申込フォームでうまく送信できない場合は、お手数ですが以下の内容につきましてメール送信お願いいたします。

宛先 ukiha.maruhaku@@gmail.com (@を一つ消してください)
 お名前:
 メールアドレス:
 住所:
 自宅電話番号:
 携帯番号:
 第1回目(3月23日)に: 参加 or 不参加

手続き等
お申込みいただいた方には3月12日以降、メールにて詳細をご連絡いたします。3月15日までにメールが届かない場合はご連絡ください。

お問合せ
浮羽まるごと博物館ホームページお問合せフォーム(http://ukiha-maruhaku.sakura.ne.jp/db/?page_id=50)でお問合わせください。

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ドイツの農村ツーリズム研究報告会を実施しました

平成26年1月27日に、うきは市民センター 3階 創作室にて「ドイツの農村ツーリズム研究報告会」を実施しました。

「グリーンツーリズム」と「エコツーリズム」の違い、すなわちもっぱら都市側の視点で交流・観光をすすめる前者と、農村側の持続可能性をすすめるために観光の手段をとる後者について、などの趣旨説明が九州大学大学院菊地成朋教授よりなされたあと、ドイツの短期留学から帰国したばかりの2名からエコツーリズム研究報告がありました。

報告1:木村萌さん(九州大学大学院修士課程2年)
ドイツ・シュバルツバルトで経験した農泊の様子が、詳しく報告され、長期滞在しながら周辺の農村を巡ったり、農業体験をして楽しむことができる仕組みなどを理解することが出来ました。

報告2:天満類子さん(九州大学大学院学術協力研究員・博士〔人間環境学〕)
観光だけ、保存だけに特化することなく、生業としての農業、環境保全、そして観光とがうまくバランスをとりながら、良い循環を生み出していることが、実例やイメージを交えて分かりやすく報告されました。

農村ツーリズム先進国と言えるドイツでは法制度も整えられ、また長期滞在する文化的なバックグランドによる成因もあるものの、長期的な視点に立って、農村の持続可能性に主眼を置いた整備を進める姿勢に学ぶものが多く感じられた、たいへん充実した報告会となりました。

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